札番 第20番金井山 林光寺
お寺の歴史(縁起)
寺伝によると、天平12年(740)聖武天皇の勅により、行基が東大寺無事建立祈願の途次、この地を訪れた折、林の中に清泉が湧き出て金光を放つのを見て感得し、聖武天皇勅願寺として開創されたと伝える。山号「金井山」の由来となっている。
往昔には清泉涌出の地に、寺院を建立されることが多く、当山もその例によるところと考えられる。
のち神戸城主代々の祈願所として栄え、当寺寄進の数々が今も現存している。
桃山時代に再建された本堂は、寛永年間(1624~44)に中興尭元和尚により、大修理が行われ、近年では平成八年に屋根等の修復工事が完成し、今日に至っている。
本堂内部は桃山様式で須弥壇の彫刻、極彩色の柱、華麗な壁面、格天井の花鳥の絵など市内では数少い桃山建築といわれている。
本尊千手観音は平安時代の作。像高1.27m、桧の一木造り、全般に彫り浅く優美なお顔という。
この像は秘仏で、年1回8月9日深夜から10日未明にかけて開扉される。国の重要文化財である。
閻魔堂の草創は南北朝後期(1300年代後期)と伝えられ、のち宝永年間(1704~11)に再建されている。この堂は行路横死者、病没遊女、水子等不運な人々の供養のため建立されたという。
毎年2月16日、8月16日の両日に開扉、えんま会式を施行。
なお、当寺は三重四国八十八か所の第13番札所です。
○『勢陽雑記』
金井山林光寺 神戸市中 鍛冶町の後に有。俗にはやし寺と云ふ。当寺者聖武天皇勅願霊地。而本尊千手千眼者。天照太神刀礼之御作也。(中略)順礼歌に
かない山木の間とびくろ蛍火は 野間のはやしに光とどむる
概要
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山号
金井山(かないさん)
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寺号
林光寺(りんこうじ)
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宗派
真言宗智山派
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祭祀
千手観世音菩薩
見どころ
●年中行事
・2月4日:節分会
・2月17日:修二会(冬エンマ会式)
・3月彼岸中の日曜日:春彼岸会
・4月21日:弘法大師御影供法会
・8月9日:十日観音会式(御開扉は午後10時半~翌10日午前1時までの2時間余)
・8月16日:えんまさん会式
・9月23日:彼岸会
・11月15日:秋の祈願祭
・毎月1日・21日:月例御縁日