札番 元9番涌福智山 國束寺
お寺の歴史(縁起)
國束寺は、今から、およそ千四百年前、聖徳太子が皇大神宮の神勅にしたがい、伊勢神宮(内宮)の真西、天照大神と素盞嗚尊の胞衣(えな)が納められていると言われている國束山に、天下泰平、万民豊楽を祈願する為、十一面観世音菩薩をお祀りしたのがはじまりと伝えられています。
その後当寺は、聖武天皇、嵯峨天皇の篤い御信仰により、山内に六院百三十二坊を有するまで発展し、また弘法大師空海がこの地を訪れた際には、國束寺山を「胎蔵界曼荼羅の山」と讃唱されたことから、密教の修行道場として栄えました。
北畠國永撰の『年代和歌秒』には
「寺の名も 國を束ぬる 山なれば
代々にし高く 仰がざらめや」
という禅也法師の歌が残されています。
その後乱世の戦火に巻き込まれ、全堂塔伽藍すべて灰燼と帰されてしまいましたが、藤堂高虎公や紀伊徳川藩からの御加護と、人々の御信心により、山上に伽藍が再建され、伊勢国の名刹として栄えました。天保5年(1834)の『山上伽藍絵図』(國束寺蔵)は、再建された当時の様子を偲ぶことができます。
しかし明治の廃仏毀釈や昭和の農地解放により、当寺は衰微を余儀なくされ、戦後一部の建物を空襲で伽藍を失った大阪の四天王寺に移し、國束寺は国束山南麓に移築。隆盛を極めた昔とは比較になりませんが、何時か再び山上に伽藍が復興できますことを信じ、御仏の教えと聖徳太子の「和」の精神を、大切に護り伝えております。
概要
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山号
涌福智山(ゆうふくちざん)
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寺号
國束寺(くづかじ)
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宗派
和宗
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祭祀
十一面観世音菩薩
ご案内
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住所
三重県度会郡度会町平生1481
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電話
0596-62-1018
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御朱印場所
当寺受付
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参拝時間
8時〜17時
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公式サイト
見どころ
●年中行事
・1月1日:修正会
・1月27日~2月3日:星祭祈祷会
・2月3日:節分会(星祭祈祷会結願)
・2月18日:観音大会
・4月第一日曜日:永代祠堂会
・6月18日:開山式
・8月9日:施餓鬼供養法要
・12月31日:除夜の鐘