札番 第5番神護峯 中山寺
お寺の歴史(縁起)
当山は慶安4年(1651)、妙心寺137代住持愚堂東寔(とうしょく・1579~1661)〈大円宝鑑国師〉に帰依した亀山藩主石川昌勝が願主となり、当時の山田奉行石川大隅守の援護を受け、神宮の内・外宮中間のこの地に開山したもので、宗派県下第一の古刹です。
本堂は明暦2年(1656)3月に落成したものと伝えられ、桁行9間半、梁間7間強の本瓦葺、寄棟造りの臨済宗本堂として規模壮大、古式方丈形式の手法をよく残した県内屈指の遺構です。堂内脇壇には木造愚堂国師像・2代目雪潭(せったん)豊王像の他、円空(1632~95)の彫像4体をお祀りしています。
山門の正面にある乾達婆堂は釈迦八部衆の一である乾達婆神(けんだつはじん)王を祀り、小児の「かん封じ」に300年の伝統を誇り、毎月15日に乾達婆神王の祭典が行われます。
また、本堂と乾達婆堂の間に観音堂と地蔵堂があります。観音堂にお祀りされている十一面観世音菩薩は、明治初めに廃寺となった天台宗の蓮台寺の本尊をお迎えしてお祀りしたので、当寺が第5番を継ぐことになりました。境内には山田奉行三枝伊豫守(1841没)・小出豊前守(1848没)の墓碑と徳田椿堂(1758~1825)の句碑が建てられています。さらにボストン美術館に秘蔵されている江戸時代の画家、曽我簫白が描いた「雲竜図」のレプリカが、平成17年夏に本堂の襖絵として復元されました。
なお、当山は「東海白寿観音三十三ケ所めぐり」の第9番札所です。
概要
-
山号
神護峯(しんごほう)
-
寺号
中山寺(ちゅうざんじ)
-
宗派
臨済宗妙心寺派
-
祭祀
十一面観世音菩薩
見どころ
●年中行事
・春・秋季彼岸入りの日:施餓鬼会・塔婆供養
・4月15日:乾達婆神大祭(大般若祈祷)
・8月15日:精霊送り(燈籠に送り火)
・11月18日:白寿観音祭(ぼけ封じ大祭、かぼちゃ善哉の接待あり)