札番 第16番白山 密蔵院
お寺の歴史(縁起)
その昔、当寺領を一帯を白山といい、津藩二代藩主藤堂高次(在職1630~69)が白山妙理大権現祈願所としていた。寛文年中(1661~73)高次が病魔に冒され苦しんだ時、阿闍梨朴心に病気平癒の祈祷を命ぜられた。朴心は三密加持の秘法を修し祈祷を続けたところ、病は忽ちにして平癒したので高次は大いに喜び、朴心に白山の土地を与え、この寺を創立させ念持仏を祀ったといわれる。
これが当山の始まりである。明治初年に本堂裏山境内に四国八十八ヵ所霊場(小堂)が造立された。本尊は千手観世音菩薩。当山は大法師会接待、御詠歌講、数珠繰り行事など多くあり、信者交流の場として親しまれ、参詣者が多い。惜しくも、昭和20年(1945)太平洋戦争津空襲で堂宇、古記など焼失したが、幸いにも本尊は疎開させており難を免れた。
戦後本堂、山門を再建、参道も整備し昭和五十五年には裏山境内に白山妙理大権現堂を新築した。本堂には本尊はじめ、弘法大師、大黒天を安置。本堂右に建つ恵音院本堂には文殊菩薩を安置している。堂前で学業成就の祈祷会を施行する。境内には本堂前に不動明王、毘沙門天の二石仏が造立。東面に水子地蔵像がある。恵音院本堂は昭和20年までは恵日山津観音寺の一院であったが、戦後当山へ移されたお堂である。
1、3、9、12月各21日に行われる大数珠繰りは、数十人が輪になって座り般若心経を唱えながら大数珠を廻して祈念する。百万遍数珠繰りといわれ、伝承行事として広く知られている。
当山は三重四国八十八ヵ所第65番霊場である。
概要
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山号
白山(はくさん)
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寺号
密蔵院(みつぞういん)
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宗派
真言宗御室派
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祭祀
千手観世音菩薩
見どころ
●年中行事
・1月21日:初大師、百万遍数珠繰り、柴燈護摩修行
・2月3日:節分会(星まつり)、本護摩修行
・3月21日:春彼岸会、百万遍数珠繰り、柴燈護摩修行、彼岸封じ
・4月21日:弘法大師大会式、永代経供養、戦災者英霊供養、大般若転読、柴燈護摩修行、大接待日
・5月21日:白山妙理大権現会式
・9月21日:秋彼岸会、百万遍数珠繰り、柴燈護摩修行、彼岸封じ
・12月21日:終大師、百万遍数珠繰り、柴燈護摩修行